忍者ブログ
2018.05│ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

翻訳の仕事のこととか中国語のこととか中華圏旅行のこととか。

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


文芸翻訳では多分ないんだろうけど(あまり経験がないので分かりませんが)、産業翻訳やってると割と出て来るのが「訳文の使い回し」。

「訳文をデータベースとして取っておいて原文が同じ箇所の訳として使い回す」ってやつです。訳文全体をそのまま使ったり、訳文の一部(単語とか、フレーズの一部)だけを変えるとか、状況に応じて色々あるけど。

どうしてそういうことをするのかっていうと、まぁ理由は様々あるんでしょうが、その一つとして「翻訳にあまりお金をかけたくないソースクライアント、エージェントさんの意向」っていうのがあると思います。

実をいうと私も翻訳会社に勤務していた頃よく上から言われてたんですよね~。「お客さんがなるべく翻訳にお金かけたくないって言ってるから、原文同じところの訳文は使い回して、翻訳料節約して?」って。

まぁ発注する側は恐らく原文の文章は同じところはコピペして作成しているので、「訳文も結局同じようにコピペして作るんでしょ?こっち(原文)では一度だけしか作ってない文章に二度も三度もお金かけられないよ」ってところでしょうか(※あくまで推測です)。

翻訳を使い回す事情にはこのほか、「翻訳物に対する質の問題」もあると思います。どういうことかというと、特にマニュアルなんかの場合だと、同じ内容の文章には同じ文章(表現)を使うのが質の高いマニュアルとして評価されるんですよ(と、私が前にマニュアルの翻訳を主に手掛けている翻訳会社に勤めていたとき言われました)。だから同じ文章を下手に翻訳に出して、内容は同じでも表現が違う文章になって製品全体の質を落としたくない、という事情もあると思うんですよね(常に同じ翻訳者さんにお願いできるとも限らないし、同じ翻訳者さんでも継続してお仕事お願いしているうちに文体変わったりするため)。

ただ、発注側の意向がどうであれ、「原文が同じだから訳文も同じになって使い回しOK!」とは安易にならないのが翻訳の世界の難しいところなわけで…。

原文言語と訳文言語は当たり前ですが言語が違います。そして言語が違う以上、表現体系も違うし、それを使う人達の文化的・社会的背景も当然異なっているわけなので、例えば「原文言語ではこの文脈/シーンでは同じ文章でいけるけど、訳文言語の場合は同じにはならない」ってことがあるんですよね。

例えば中国語は日本語と比べ、主語や目的語をはっきり出すことが多いから、日本語は主語(もしくは目的語)なしですべてのケースに対応できる文章でも、中国語は主語(もしくは目的語)なしだと動作の主体(や目的)が分からなくなってなんだかぼやけた文章になってしまうし、じゃあ中国人が読んで分かる文章(読んで表現的におかしくないと思う文章)にするために主語や目的語をしっかり出して翻訳すると、その訳文を同じ日本語の別の箇所の訳として使った場合は誤訳になってしまう、ということがあるわけで。

私は英中のチェックもやってますが、英語も中国語みたいに主語や目的語をはっきり出すけど、でも「主語や目的語の出し所」(って言うんですか?)が英中で違うので、やはり上記のようなことが起こったりします。

なので、訳文の使い回しを前提としている仕事を私が翻訳者としてなりチェッカーとしてなり引き受けるときは、訳の使い回しに難がありそうな訳しかできない場合はできる限りコメントつけるようにしています(もちろん事前に「コメントつけて納品してください」って言ってきてくれる翻訳会社さんもありますが)。

特にチェックの場合、翻訳が間違ってるわけでもないのにコメントつけるのは心苦しかったりもするのですが…。コメントつけることによって、次回翻訳が発生した場合、「原文同じだから翻訳に出さなくていいや→完成品が誤訳」は避けられるかなぁ…とも思うので。

個人的には、「訳文の使い回し」は翻訳物の製品としての質を維持するために行われる手法であって、翻訳コストの削減を第一の目的として行われるものではないんじゃないかな…なんて思ってますがemoji

いずれにせよ、原文が同じでも訳文も同じでいけるかどうかというのは結局訳す側しか分からないことだと思うので、面倒くさくても何でも、丁寧に対応していくしかないんじゃないかな、と思っています。


拍手ありがとうございましたemoji
またランキングバナーのクリックも、どうもありがとうございますemoji



拍手[5回]

PR

ほぼ2ヶ月ぶりになりますが、仕事の話です。

タイトルにも書いてありますが、私、チェックの仕事をしているときは、「読みやすい訳文には注意した方がいい」と思いながらチェックしています。

いや別に「読みやすい訳文」を否定するつもりはないんですよ?むしろ「訳文は読みやすくてなんぼ」って思ってるくらいだし。

じゃあなんで「注意した方がいい」と思っているのかっていうと、読みやすい訳文の中には「読みやすくなるよう翻訳者さんの想像で補われた訳文」があるから…です。

どういうことかというと、翻訳の仕事を発注するとき、その翻訳分野(専門分野)に精通した(もしくはその分野の翻訳経験豊富な)翻訳者さんにお願いする、というのはほとんどの翻訳会社さんで採られている方法だと思うのですが、文章の内容って…必ずしも一つの分野のみに絞られるものでもないんですよね…。

文章自体は「A」という専門分野の内容なんだけど、そこにたまたま「C」という別の分野の内容が入っていて、「ああこの翻訳者さん、Aの分野については詳しいんだけどCは不得手なんだな」っていうのが良く分かる訳文っていうのに出会うことがあるんです。

例えば、「C」の部分は翻訳者さん自身あまり詳しくないから、出てきた単語が「C」という専門分野にかかわる用語とは気づかず、一般用語として訳されている…とか。

もしくは「C」の内容にかかわる部分を、「C」に関する知識が乏しいため正しく理解できず、明らかに想像で訳しちゃってる…とか。

特に中国語は全部漢字なので、ちゃんと分かっていないと、それが名詞なのか動詞フレーズとして書かれているのか判断つかない場合ってあるんですよね。(専門用語とか英語から意訳されている場合が多いので…)

しかも想像で訳されちゃってる場合って、読みやすいように(正確には「話の辻褄が合うように」)訳者さんがヘンに情報を追加していたりすることがあり…以前、パッと見話の前後(直近の文章と文章、段落と段落の流れ)がちゃんとつながっているように見えたし、訳文もとても滑らかでスイスイ読めたんだけど、内容が全体的にかなり違っていてこちらで全面修正した…っていうことがあったので、最近ではそういう文章を見ると警戒するようにしています。

まぁ実際ちゃんとした知識の裏付けに基づいて情報追加されている場合もあるので、「情報が追加されているから悪い」とは一概には言えない部分もあるんですけどね。

想像で訳されていて、しかも第三者(チェッカー)が読んでおかしいと感じるのに、なんで翻訳者さんは気づかないのか、と不思議に思われる方いるかもしれないけど、翻訳してるときって翻訳者さんはその文章に入り込んじゃってるので、自分で「こうだ!」と思って訳してるとその後自分で読み返しててもなかなか気づかなかったりするんですよね…。

…私も自分で翻訳するときどこかでやらかしてるんじゃないかと心配ですがemoji

一応チェッカーとしての経験を踏まえ、自分で訳す場合は「ヘンに情報補わないと訳せない部分は自分のこの分野に対する知識が足りない部分だ」と思って、納期が許す限り調べるようにはしていますが…。

あとなるべく余裕をもって翻訳終わらせて、一度寝て頭クリアにしてから納品前の自己チェック(一度訳文のみを通して読んでみることと原文と訳文との照合作業)をする…とか。

「専門分野が細分化されるに伴い、専門分野間の垣根があいまいになってきている」なんて話を以前どこかで読んだことあるんですけど、翻訳もまさしくそんな感じだなぁなんて思っています。

拍手ありがとうございましたemoji
またランキングバナーのクリックも、どうもありがとうございますemoji


拍手[9回]


中国語特集が組まれているというので今年秋の通訳翻訳ジャーナル買ってみました!

中国語特集読んだら、なんか昔ここに書いた内容思い出したな…。数年前に書いた記事だけど、「文芸翻訳はあまり需要がない」とか「分野を一つに絞らない人が多い」とか、「確かに中国語の仕事は増えてるんだけど、フリーランスへの外注として発生するのはごくわずか」とか…。

「登録したのに仕事が来ない!の「なぜ」」

「(中国語)翻訳者の「あるある」?(笑)」

あと以前「中国語の仕事って短納期が多いんですよね」と翻訳会社さんに言われると書いたのですが(これ→「翻訳にはインスピレーションも大事」)、その理由が今回の通翻ジャーナル読んで良く分かりました。ナルホドそういうわけね…。

ま、それはそれとして。今回の特集の中で中国語以外で個人的に気になったのがISO17100のこと。特に翻訳の資格―翻訳学校や大学での「翻訳の学位」に関してでした。

私も駆け出しの頃翻訳学校で勉強してたし、それはそれで勉強になったし、ものすごく今の自分の仕事の糧になっていると思うのですが、反面ず~~~っと不満に思っていることがあるんですよ。

ズバリ、「このカリキュラム終了したからって、即仕事に結びつくわけじゃないじゃん?」ってこと。

翻訳業界って完全に「経験重視社会」なので、語学試験に合格しても翻訳学校で良い成績を修めても、実務経験がなくちゃトライアルすら受けさせてもらえないってところ多いんですよね…。
特に私は大学卒業後留学したいわゆる「第二新卒」で、しかも当時は就職氷河期ということもあって、北京から帰って来た後なかなか就職の口が見つからなかったから、せっかく中国語や翻訳の勉強頑張ってもなかなかチャンスが巡ってこなくて苦労したという…(;´Д`)。

今でも新規分野開拓したいと思ってどんなに勉強しても、やはりその分野での実務経験がないと、例えその分野で翻訳者が不足していてもなかなかチャンスもらえないし…。

英語みたいな大きな市場で、一つの分野に絞ってもやっていける言語なら別に問題ないのかもしれないですが、フリーランスとしてある程度まとまった収入を得るには複数分野への対応が不可欠という中国語のようなマイナー言語の場合は、まさに死活問題かなと(笑)。

なので「この学校やこのカリキュラムを卒業したら、翻訳者としての資格がもらえる」というのができたらいいなぁ…なんて思ったのでした。学位…というか、トライアルに応募できる資格とでも言いますかね。

去年参加したとある産業翻訳分野の翻訳講座で、講師の先生が「この分野の中日訳できる日本人翻訳者が少ないから、中国人にお願いしてるんだけど、日本語の質に問題があるので、この分野に対応できる日本人翻訳者さん・チェッカーさんが増えて欲しい」ということをおっしゃっていたのですが、翻訳需要に対して翻訳者の供給が追い付いてない分野などで翻訳講座を開いて、そのカリキュラムをある一定の成績を修めて終了すればその分野に対応できる翻訳者と見なされる―っていう風にできれば、ソースクライアントさんが翻訳の質で泣くこともないだろうし、当該分野に対応している別言語の方にお仕事を依頼する必要もなくなるんじゃないかなぁ(いや実際そういう求人見たので…)…なんて、素人考えですが思ったのでした。


拍手ありがとうございましたemoji
またランキングバナーのクリックも、どうもありがとうございますemoji



拍手[4回]


Prev1 2 3 4 5 6 7 8 9  →Next
ランキングに参加中です!
面白かったらクリックしてね☆

人気ブログランキングへ
翻訳ブログ人気ランキング参加中
ブログランキング・にほんブログ村へ
プロフィール
HN:
はぎちょん
性別:
女性
自己紹介:
翻訳会社のコーディネータ&チェッカー、中日ビジネスコンサル会社の翻訳事業部のコーディネータ&チェッカー/翻訳者を経て現在中国語のフリー翻訳者。在宅で中日訳のほか、中日/日中/英中訳のチェックなども行っています。夫と二人暮らしのアラフォーです。
おススメ―語学
カレンダー
04 2018/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
最新コメント
[08/19 蓮]
[06/25 蓮]
[06/08 蓮]
[05/12 蓮]
[05/12 蓮]
ブログ内検索
アクセス解析