翻訳の仕事のこととか中国語のこととか中華圏旅行のこととか。当たり前だけど内容はあくまで個人の見解です。
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最近料理の話題を投下していないのは、単に面倒臭いだけなんですよ…。パソコンをWin7からWin8.1に変えたら写真の縦横設定がちゃんと反映されなくなってしまい、一度画像加工ツール使って回転させないといけなくなっちゃったんですよねぇ…。スマホに変えたらそんな手間なくなるかな~画素数も上がってキレイな写真撮れるかも~って思ってたら、このブログ、画像の自動リサイズ機能ないからスマホかパソコンでリサイズしなきゃいけなくなって、一々それやるのが面倒臭くなっちゃって放置気味っていう…
まぁ、料理の話題はまたやる気が出たときにやろうと思います。
さて、今回は「この間日中訳チェックのお話したから、中日訳チェックのお話もしなきゃね」ってことで、中日訳チェックのお話。
私が翻訳の仕事始めた頃は「和訳案件は日本人に、中訳案件は中国人に」っていう話を多く聞いていたので、日本人翻訳者さんにお願いした和訳をチェックしてるのかなぁと何の疑問も持たずに思っていたのですが、「日中訳チェックのお話」で触れたセミナーの講師の先生のお話からすると、最近来る和訳チェック案件は中国人翻訳者さんが訳したものが多いのかしら…?
「日中訳チェックのお話」で「チェックをするときどの国の翻訳者さんが訳したのかという情報はあったりなかったりする」と書きましたが、私の場合「情報を頂ける場合」というのは中日訳案件に限ってある気がします。正確には「誰(何)が訳したのか」という情報ですが。
曰く「中国人にお願いした和訳なのですが、日本語としておかしなところがあるから直して欲しい」とか「機械翻訳したんだけど何書いてあるのか分からない日本語になったので、自然な日本語に直して欲しい」…。
自分が社内でコーディネータやってた時やフリーランスで経験したケースを総合すると、「翻訳にお金かけたくないし、日本人が書いたようなこなれた日本語でなくていい、読んで意味が分かる程度であれば十分だから、安い単価で引き受けてくれる中国人にお願いしたり、タダでできる機械翻訳にしたんだけど…」っていう枕詞が大抵ついてましたね。
こういうケースのチェックはすごく大変です。だって「読んで意味の分かる文章であれば多少変な日本語であっても構わない」というわけで出した翻訳を「自然な日本語になるようにチェック(リライト)してください」って依頼が来るということは、つまり「ちょっと読んだだけじゃ分からない日本語」なわけですよ。チェックというのは通常、原文と訳文を突き合わせて読み合せながら誤訳や訳抜けがないか、表現としておかしなところがないかどうか見ていく―つまり翻訳者が訳した訳文をベースにして原文を読みながら文章をいじっていく(修正をしていく)ものだと思うので、訳文が何言ってるのか分からなければ正直手の施しようがないっていうね…(;´Д`)
社内で働いていたころ一度、「訳してあるんだし、中国人が訳したんだから原文理解は間違ってないだろうから、訳文だけ読んで自然な日本語に直せばいいんじゃない?」って言われたことあるんですけど、これは直している過程で原文の意味から外れて誤訳になる可能性があるので、正直おススメしたくないです…っていうか全力で阻止したいです機械翻訳でも言えることですが、文の切れ目や修飾語のかかり方がめちゃくちゃになっていることがあるので、原文見ないで日本語だけ見て自然な日本語にしようとすると、そもそもの原文の意味から外れてしまうことがあるんですよ…。
チェックというのは確かに「訳文に誤訳や訳抜けがないか、こなれた文章になっているかどうか」をチェックする仕事ですが、これはあくまで訳文全体が訳文言語として「読める」文章で書かれているから成り立つ仕事だと思うんですよ。全体がきちんと訳されていて、その上でミスがないかどうかを確認し、あった場合は修正し、クライアントからの要望があったらそれに沿って訳文をブラッシュアップする―という仕事なので、初めから全文が訳文言語として成立していない文章を「チェック」の名目で「直してください」というのは、ちょっと違うのではないかな、と個人的にですが思っています。
場合によっては訳文無視して自分で一から翻訳し直した方が早いんじゃないかと思うこともあるしね。時間給ならまだしも、文字単価の場合はチェック案件の単価は翻訳より安い場合が多いと思うので、正直「割に合わないなぁ」という感じ。
ただまぁそうはいっても、ツイッターやWeiboで可笑しな機械翻訳がネタになっているのを見るたびに、「チェックくらい出そうよw」って思ったりしてしまうのですが(苦笑)。
ちなみに↑の文章読んだら「中国人に頼む和訳=安かろう悪かろう」ってイメージ持ってしまう人がいるかもしれないので一応断っておきますが、中国人でも日本人顔負けのスバラシイ和訳してくる人いるんですよ。何年か前「これ中国人にお願いした和訳なのですが、日本語としておかしな表現があったり誤訳があったら直してください」と言われてチェックしたら、ものすご~く上手な日本語で誤訳もないカンペキな文章で思わず「すっげぇ…」なんて呟いてしまったことがありましたね(笑)。自分が中訳やった場合、ここまでカンペキな文章書けるか正直自信がないので心の底から「負けたわ…」と思ってしまいました日本人もっと頑張らなきゃホントに仕事奪われるんじゃないかと心配になりましたよホント。「日本人より中国人の方が翻訳上手だから」って中国人への和訳・中訳を推奨する人が出てくるのも頷けます。
私も日々精進しなくちゃ!!です。
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3年くらい前だったかな?とある翻訳業界団体の中国語産業翻訳業界セミナーに行ったとき、講師の先生が、翻訳の品質管理に関する話題でだったと思うんですが、「近年中国語翻訳業界では、中日訳にしろ日中訳にしろ翻訳は中国人に、チェックは日本人に、という役割分業が進みつつある。日中訳は訳文ネイティブの中国人に頼んだ方が自然な中国語になるし、中日訳は原文ネイティブの中国人の方が原文理解力があり、誤訳が少ないから。ただ中国人は翻訳は上手いけど性格が大雑把なので翻訳のクオリティを維持したり向上させるチェック作業には向いていない。一方日本人は性格が細かいので、そうした作業に非常に向いている」というようなことをおっしゃっていて、以来、駆け出しの頃から割とコンスタントに中日訳のお仕事をくれていた翻訳会社さん(正確には受注量はチェックと翻訳半々くらいの量でしたが)からチェックのお仕事しか来なくなったり、駆け出しの頃に登録して以来全然連絡がなく、こちらも登録したことすらすっっっっかり忘れていた(←ヲイ)翻訳会社さんからいきなりチェックのお仕事の打診が来たりして「え…!?」と思ったものなのですが(失笑)。
私がそれまで自分が勤めていた会社等を通して聞いていたのは、「単価に魅力を感じて中国で翻訳してもらったら、そのままではとてもじゃないけど使い物にならない訳文がきてガックリ。その後のチェック作業に非常に時間がかかってしまって、最終的に日本で翻訳やったときと変わらないくらいのお金がかかってしまった。だったら初めから日本でやった方がいいじゃん?―ということで、一旦中国にお願いすることになった翻訳を、日本に戻す企業さんも出てきている」っていう話だったんですよね。
確かに翻訳の仕事自体減って来て周りの日本人翻訳者さんと「最近仕事ないよね~減ったよね~」「あっても単価安いしねぇ…」なんて話題で盛り上がったり、当時取引のあった中国語を専門にしている複数の翻訳会社さんから「今はこの単価じゃ仕事とれないんですよ…今はその半額…いや半額でも高いくらいですよ」と言われることはあったんですよ。でもそれまでと変わらない単価で変わらず和訳の仕事下さった翻訳会社さんもあって、一旦落ち込んでいた和訳の受注本数も持ち直して来たりもしてたので、「ああ~やっぱあの話(翻訳が日本の翻訳者に戻ってきている)は本当なのかしらね~」なんて思っていたところだったので、なんかあのセミナーによってその流れがぶった切られてしまった感じがなきにしも非ずなんですけれども(あとで参加者名簿見てみたら上記の翻訳会社さん、いずれもそのセミナーに参加されていたようなので…。他にも要因あるのかもしれないけど、ただの偶然にしてはタイミング良すぎな気が…)
まぁそんな私の憶測の域を出ないただの愚痴は置いといて。日中訳チェックのお話。
私がチェックのお仕事受けるとき、その訳文をどこの国の人が訳したかなんてのは教えてもらったり教えてもらわなかったりするのですが、上記セミナーの講師の先生のお話からすると、やっぱり日中訳は中国人が訳していると見て良いのかしらね?私が経験した中でも、日本人に中訳お願いしたり、中国人に和訳お願いするケースも確かにあったけど、圧倒的に「中訳は中国人、和訳は日本人」が多かったし…。
上記セミナーの先生は「中日訳は原文ネイティブの中国人の方が原文理解力があり、誤訳が少ない。日中訳は訳文ネイティブの中国人に頼んだ方が自然な中国語になる」とおっしゃっていましたが、確かに日中訳は中国人に頼んだ方が自然な中国語になるんだろけど、「中日訳は原文ネイティブの中国人の方が原文理解力があり、誤訳が少ない」の理論は翻せば、「日中訳は中国人にお願いしても、原文に対する理解は日本人ほど正確ではなく、誤訳が多い」ということになると思うんですが、どうでしょう(笑)。
別にそれを裏付けるつもりはないんだけど、確かに日中訳って今も昔も「訳文は読みやすいんだけど誤訳が多いなぁ」という印象なんだよね…あくまで個人的な印象ですが。
別に誤訳があるのが悪いってわけではないんですけどね。翻訳者だって人間だから間違えるときだってあるし、体調優れないときとか、納期が短かったり丁度他の仕事とか予定がブッキングしてしまったとかで十分読み込んだり調査したり推敲してる時間がなかったりすることだってあるし、そもそも原文の構文が複雑だったり読みづらかったりすると間違えやすいものだと思うので。
だからその辺は仕方ないと思うし、そもそも私が翻訳するときもどんなに気を付けていても全くのノーミスってことはないと思うからお互い様だよなぁとは思いつつも、自分のこれまでの経験上、読みやすい訳文には誤訳が潜みやすい傾向があると思っているので(これについては今度別項を立てて書きたいと思っています)、チェックの際には細心の注意を払うようにしています。
原文と訳文、双方の文章の意味をきちんと頭の中に置いて読んで、ほんのちょっとでも読んでてひっかかたっところは紙(原文と訳文を打ち出したもの)に印をつけて読み返したり、調査したり、それでも判断つかない場合はその原文と訳文の訳を紙の端っこに書いてみたり(書くことで冷静になってどこがどう違うと思ったのかが客観的にわかるので)、しばらく時間置いて頭クリアにしてから読み返してみたり…。納期という限られた時間の中ですが、できる限り見落としがないように心がけています。
それは訳文が読みやすかろうが読みにくかろうが、和訳だろうが中訳だろうが、同じことですけど。
そういえば、以前勤めていた会社では、やっぱり中訳は中国人にお願いしてたんですけど、中に一人華僑の方がいて、その方に頼んだ中国語訳は「日本人が書いた文章みたいで読みづらい(-"-)」と中国人スタッフには不評で私をめいっぱい不安にさせてくれたのですが(笑・中国人スタッフ曰く、「中国国籍持っているとはいえ、日本で生まれてずっと日本で育ったのならそれはもう完全に日本人」だそうですが)、今思い返すと誤訳少なかったな…。もちろん完全にゼロではなかったけれど。
まぁいずれにせよ、どんなに優れていてその分野に精通した翻訳者でもミスはつきもの。どの国の人が訳したものであろうが、読みやすかろうが読みにくかろうが、自分が訳文原文どちらの言語を母国語に持っていようが、単語の一つ一つ、文章の一行一行気を抜かずにこれからも見ていきたいと思っています。
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中国語の翻訳やチェックの仕事をしていると、たまに翻訳の仕事を始めて間もない頃(とある翻訳会社でコーディネータ&チェッカーをしていた頃)、同僚の中国人スタッフに↑のようなことを言われ、「ほえ!?Σ(・ω・ノ)ノ!」となったことを思い出します。
曰く、「日本語で『以上』『以下』っていうと元の数字含むけど、中国語では含まない場合があるんですよ。だから気を付けてね」。
「中国語と日本語では数の数え方が違う」という例は学校で教えてもらったことはあるのですが、それは「增加了○倍(zēngjiā le ○ bèi)」とか「翻了○番(fān le ○ fān)」の話で…。
(どんな話かっていうと、
「倍」の前に「增加」とか「多(duō)」がある場合、「倍」には元の数が含まれないので「增加了一倍( zēngjiā le yībèi)」の場合は「元々あった分から更に同じ分(1倍)増えた=2倍になった/倍増した」、「增加了两倍(zēngjiā le liǎngbèi)」は「3倍になった」になり、
「翻了○番」の場合は「『翻』は『倍増する』、『番』は2倍になる回数を示す量詞だから、2倍が○回増えた」、つまり「翻了一番( fān le yīfān )」は「2倍になった」、「翻了两番( fān le liǎng fān)」は「4倍になった」、「翻了三番(fān le sān fān)」は「2倍が3回起こった=2×2×2で8倍になった」になる
というもの。)
「以上」と「以下」は「以上」と「以下」としか教えてもらった記憶しかないので、いや~もうびっくりしたというか…「えっそうなの!?違うの!?」と…あまりの衝撃に「どういう場合が含まれて、どういう場合が含まれないの?」というごく当たり前の疑問すらとっさに頭に浮かびませんでした(苦笑)。
結局、この疑問は日ごろの業務に忙殺されて聞く機会というのは訪れなかったのですが…その後「そういえば中国語の文章って『○以上』とか『○以下』で『○』が含まれる場合って大抵『○を含む』っていう書き方してるよね(『20歳以上』の場合は『20岁以上[suì yǐshàng](含[hán ]20岁[suì])』とか、『65GB以上』の場合は『65GB或以上(huò yǐshàng)』とか)」と気づき…。
ってことは一般的には「以上」「以下」の前の数字は含まれない、と考えた方がいいのかしら?と思って辞書を引いてみたら「含むかどうかはっきりしないことがある。これを明確に表現したい場合は↑のような書き方をする」って書いてあって、「あ、一概に『含まない』とは言えないのか」なんて思ったりもしたのですが。
(ただこれ翻訳する場合、「今から30分以内にそっち行くよ!」などの日常会話なら「30」という数字が「以内」の中に含まれていようがなかろうが大した問題にはならないと思うのですが、例えば統計とか検査などの重要なデータの場合、「○以上」「○以下」の○を含むか否かで内容が大きく違ってしまう場合もあるわけで…。なので私は日中訳チェックで訳文が原文同様「○以上」とか「○以下」となっている場合、「これこれこういうわけなので↑のような書き方をした方がいいんじゃないでしょうか?」と念のためコメント入れるようにしています。もしかしたら読み手は文脈とか暗黙の了解で分かったりするのかもしれないけれど…)
ちなみに「以上」「以下」以上に盲点だったのは不等号。これも駆け出しの時に知ったのですが、日本では「≧」「≦」だけど中国では「≥」「≤」なんですよね。チェックの仕事をしていると、日中訳にしても中日訳にしてもこの記号が原文のままになっていて、「おおぅ」と思うことがしばしばあり(笑)。
まぁ翻訳者なんて文系出身者が多いと思うので知らない人がいても無理はないのかも知れない(自分の経験踏まえると、この手の数学で使う符号は普通に語学の勉強してるだけでは出てこない気がするので…)と思いつつ、社内で仕事してたときの話ですが、同じ翻訳者さんに翻訳をワードにベタ打ちしてもらった場合とワードに上書き翻訳してもらった場合、ベタ打ちの場合は不等号もちゃんと訳されてたけど上書き翻訳の場合は原文ママになってた―ってこともあったので、良く言われる上書き翻訳の弊害の一つかなぁとも思ったりしていますが^^;
いずれにせよ、「以上」とか「以下」とか不等号等の部分がきちんと訳されている翻訳を見ると私ものすごーく感動しますし(翻訳文の前でしばらく浸ってますw)、そんな翻訳を提供できる翻訳者/チェッカーでありたいなぁと思っています。
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