翻訳の仕事のこととか中国語のこととか中華圏旅行のこととか。当たり前だけど内容はあくまで個人の見解です。
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久しぶりにお仕事関係のお話です。このブログではこれまでも度々取り上げていますが、今日は改めて「翻訳チェッカー」のお話をしようと思います。
「翻訳チェッカー」というと、よくこういう紹介を目にします。
「翻訳者が訳して来た翻訳をチェックし、誤訳や訳抜け、誤字脱字がないかどうか、専門用語がきちんと訳されているかどうか等を確認する、誰にでもできるカンタンなお仕事。実際に仕事の現場で使われるプロの翻訳に直に触れられるチャンス。これから翻訳者として活動したい方におススメ」
実際、求人広告などでは経験不問になっていることもしばしばです。
…果たしてチェッカーの仕事というのは、「未経験でも大丈夫」な「誰にでもできるカンタンなお仕事」なのでしょうか?
私の感覚では“NO”です。
実際私がチェックの仕事(社内チェッカーですが)を始めたのは、翻訳なんて翻訳学校の課題文でやった程度、それこそ翻訳の実務経験なんてまるでなかった頃だったのですが、正直思い切り苦労しました。
工作機械のマニュアルの日中訳/英中訳チェックのお仕事だったのですが、チェックのノウハウはもちろん、工作機械に対する専門知識なんて私には全然なかったんですよね。先輩スタッフさんたちは「徐々に慣れて行けばいいよ」と仰っていましたが、やはりその分野について知っていると知らないとでは、作業効率は大きく違ってくると思います。
そもそも翻訳という作業には分野が何であれ、その分野に関する専門知識というのは多かれ少なかれ必ず必要になってくるものです。
良く言われるチェッカーの仕事内容に「誤訳の発見や専門用語がきちんと訳されているかどうかの確認」がありますが、チェッカー自身その分野にある程度精通していなければ、その専門用語が正しい専門用語なのかなんて分からないしと思うし…。
それに翻訳者が結構意訳をしてくる方だった場合、チェッカーに原文内容をきちんと理解できる語学力と専門知識がなければ、それがきちんとした知識に基づいた意訳なのか、それとも誤訳なのかの判断ってなかなかつかないと思うし、直訳になっていた場合(原文と一字一句、構文レベルで対訳になっていた場合)でも、果たしてその言い方でその訳語を母国語としている方に通じるのかどうかの判断も、やはりその分野に関する知識が多少なりともないと難しい場合もあると思います(後者はむしろ語学力とか語学センスに依拠するかもしれませんが)。
少なくとも、その分野に関する知識がないのだとしたら、それを調べられるだけの「調査力」と書いてある文章が「おかしい」と思えるセンスがないと、「未経験」で「専門知識なし」でチェックの仕事を行うのは、かなり難しいことなのではないかな…。
翻訳チェックの仕事というのは、翻訳の「商品」としての質を維持する上での大切なお仕事。時として翻訳者と同程度、もしくはそれ以上の語学センスや専門知識が必要とされ、翻訳の「商品」としての質を左右する、非常に重要なお仕事なんだと、もし私だったらそんな風に紹介したいと思います。
最近ではこの過程を重視する翻訳会社さんも出てきていますしね(もしかしたら中国語翻訳業界っていうか私の周辺だけ?かもしれませんが…←これについては次回書きます)。
まぁ社内スタッフとしてチェックを行う場合は周りに教えてくれる方や会社がこれまで蓄積してきたノウハウというのもあると思うので未経験でも専門知識なくてもOKなのかもしれませんが、少なくともフリーランスで、しかも在宅でやる場合は、翻訳同様ある程度の経験もしくは専門知識は必要なんじゃないかな…と。
なおチェッカーというと翻訳者よりワンランク下に見られがちで、実際翻訳のお仕事している方の中では「いやいや、私なんかまだチェッカーだし…」と謙遜する方がいらっしゃいますが、私はチェックの仕事と翻訳の仕事、どちらが上でどちらが下ということはないと思っています。
だってどちらも外国語で書かれた情報を必要としている方に届ける、大切なお仕事なんだから。
次回は『「翻訳の品質管理」におけるチェッカーの重要性②』と題して、中国語翻訳業界におけるチェッカー事情について書こうと思います。
「翻訳チェッカー」というと、よくこういう紹介を目にします。
「翻訳者が訳して来た翻訳をチェックし、誤訳や訳抜け、誤字脱字がないかどうか、専門用語がきちんと訳されているかどうか等を確認する、誰にでもできるカンタンなお仕事。実際に仕事の現場で使われるプロの翻訳に直に触れられるチャンス。これから翻訳者として活動したい方におススメ」
実際、求人広告などでは経験不問になっていることもしばしばです。
…果たしてチェッカーの仕事というのは、「未経験でも大丈夫」な「誰にでもできるカンタンなお仕事」なのでしょうか?
私の感覚では“NO”です。
実際私がチェックの仕事(社内チェッカーですが)を始めたのは、翻訳なんて翻訳学校の課題文でやった程度、それこそ翻訳の実務経験なんてまるでなかった頃だったのですが、正直思い切り苦労しました。
工作機械のマニュアルの日中訳/英中訳チェックのお仕事だったのですが、チェックのノウハウはもちろん、工作機械に対する専門知識なんて私には全然なかったんですよね。先輩スタッフさんたちは「徐々に慣れて行けばいいよ」と仰っていましたが、やはりその分野について知っていると知らないとでは、作業効率は大きく違ってくると思います。
そもそも翻訳という作業には分野が何であれ、その分野に関する専門知識というのは多かれ少なかれ必ず必要になってくるものです。
良く言われるチェッカーの仕事内容に「誤訳の発見や専門用語がきちんと訳されているかどうかの確認」がありますが、チェッカー自身その分野にある程度精通していなければ、その専門用語が正しい専門用語なのかなんて分からないしと思うし…。
それに翻訳者が結構意訳をしてくる方だった場合、チェッカーに原文内容をきちんと理解できる語学力と専門知識がなければ、それがきちんとした知識に基づいた意訳なのか、それとも誤訳なのかの判断ってなかなかつかないと思うし、直訳になっていた場合(原文と一字一句、構文レベルで対訳になっていた場合)でも、果たしてその言い方でその訳語を母国語としている方に通じるのかどうかの判断も、やはりその分野に関する知識が多少なりともないと難しい場合もあると思います(後者はむしろ語学力とか語学センスに依拠するかもしれませんが)。
少なくとも、その分野に関する知識がないのだとしたら、それを調べられるだけの「調査力」と書いてある文章が「おかしい」と思えるセンスがないと、「未経験」で「専門知識なし」でチェックの仕事を行うのは、かなり難しいことなのではないかな…。
翻訳チェックの仕事というのは、翻訳の「商品」としての質を維持する上での大切なお仕事。時として翻訳者と同程度、もしくはそれ以上の語学センスや専門知識が必要とされ、翻訳の「商品」としての質を左右する、非常に重要なお仕事なんだと、もし私だったらそんな風に紹介したいと思います。
最近ではこの過程を重視する翻訳会社さんも出てきていますしね(もしかしたら中国語翻訳業界っていうか私の周辺だけ?かもしれませんが…←これについては次回書きます)。
まぁ社内スタッフとしてチェックを行う場合は周りに教えてくれる方や会社がこれまで蓄積してきたノウハウというのもあると思うので未経験でも専門知識なくてもOKなのかもしれませんが、少なくともフリーランスで、しかも在宅でやる場合は、翻訳同様ある程度の経験もしくは専門知識は必要なんじゃないかな…と。
なおチェッカーというと翻訳者よりワンランク下に見られがちで、実際翻訳のお仕事している方の中では「いやいや、私なんかまだチェッカーだし…」と謙遜する方がいらっしゃいますが、私はチェックの仕事と翻訳の仕事、どちらが上でどちらが下ということはないと思っています。
だってどちらも外国語で書かれた情報を必要としている方に届ける、大切なお仕事なんだから。
次回は『「翻訳の品質管理」におけるチェッカーの重要性②』と題して、中国語翻訳業界におけるチェッカー事情について書こうと思います。
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プロフィール
HN:
暁香月
性別:
女性
自己紹介:
翻訳会社のコーディネータ&チェッカー、中日ビジネスコンサル会社の翻訳事業部のコーディネータ&チェッカー/翻訳者を経て現在中国語のフリー翻訳者。在宅で中日訳のほか、中日/日中/英中訳のチェックなども行っています。夫と二人暮らしのアラフォーです。
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