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翻訳の仕事のこととか中国語のこととか中華圏旅行のこととか。当たり前だけど内容はあくまで個人の見解です。

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最近訪日中国人が増えてきているせいか、そっち関係の仕事も以前と比べて増えてきている気がします。どんなお仕事かっていうと、日本に来る中国人向けに翻訳された文章のチェックのお仕事…です。

私、大学での専門が日本の宗教文化史だったこともあってか、こういうお仕事大好きです。日本のあんな文化やこんな風習がどう中国語で表現されて紹介されるのかとか、昔からかなり興味ありましたし。翻訳しているのは日本の文化や習慣に詳しい中国人翻訳者さん(だと思う)なので、私が主に見るのは誤訳やヌケがないかとか(やはり日本語の言い回しが複雑だったり独特すぎたりして、たまに読み間違えられることもあるので)、指示通りの表記になっているかとか、所定の場所に該当する中国語がちゃんと入っているかなんですけど。

なので、機械翻訳とかではなく、きちんと人の手で翻訳されていればなかなか楽しいお仕事なんですけど、その反面、ものすごーく緊張するお仕事でもありますemoji

なんでかっていうと、「他の産業翻訳案件に比べると格段に一般の目に触れる機会が多い」から。ヘンな訳があるとツイッターやWeiboなどで晒されまくるので、緊張感ハンパないっていうか(;´Д`)。別に普段からいい加減に仕事しているつもりは全くないのですが、いつも以上に「どうかミスがありませんように!私のチェック内容も翻訳者さんの翻訳もおかしくありませんように…!」と毎度祈る気持ちで納品していますemoji(まぁ幸い今のところ、私がチェックした案件が少なくとも私の目に見える範囲でネットで晒されたことってないですが…)

そんな私の今の(この分野に対する)最大の関心事は、「日本の固有名詞(特に漢字表記のもの)がどの程度日本語の漢字のまま中国語文の中で存在できるのか」ってことです。以前は「これそのまま漢字を中国語読みしても通じないから、ちゃんと中国語に訳すように」と言われていたものでも、訪日中国人の増加で有名なったのか、それとも草の根交流の賜物なのか、日本の漢字そのままでイケちゃうケースも出てきてるみたいなんですよね(乱暴な例え方かも知れませんが、日本でもデザートを「ドルチェ(伊)」とか「スイーツ(英)」と料理や媒体によって言いわけたりしているので、もしかしてそれと似たような現象?なんて思ってますがemoji)。

中国人読者さんに「え~?日本の○○(日本語)は○○でしょ?××(従来の中国語訳)って言い方、古~いwwww」とか「えっ?○○(日本語)っ何?ちゃんと訳せよ意味わかんねーよ?」と思われたり、何より翻訳者さんに「このチェッカー物知らねぇな、大丈夫なのかw」と思われて余計な手間かけさせたりしないように、日本の観光案内の公式サイトやWeiboやWeChatの日本紹介記事を見ては、知識を溜めこんでいる(更新している)今日この頃です^^;

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私、今では翻訳なんていう読み専門みたいな仕事していますが、中国語習い始めて3~4年の頃というのは中国語の文章を読むのがすごく苦手でした。

むしろ中国語の発音(音とかリズム)が好きだったので、喋ったり朗読したり聞いたりっていうのが一番好きだったんですね。

短めの文章なら読むのは難しくなかったんですけど、小説とか新聞とか、一文が長めの文章がどうも読みづらくて…どこをどう区切ったらいいのか分からず、和訳文を見ても何がどうしてそうなるのかさっぱり分からず完全にお手上げ―というか。

でもやっぱり小説とか新聞とか、長めの難しい文章を読めるようになりたくて、留学先の大学で読解の授業を履修したのですが(丁度「新聞を題材にして中国語の読解力を高める」という内容の授業だったので)、その時に教わった読解法というのが、今でもものすごーく役に立っています。

どんな方法なのかというと、「中国語の『搭配(dāpèi)』を意識する」というもの。

「搭配(dāpèi)」…日本語でいうと「コロケーション」ですかね。「口紅を塗る」とか「建物を建てる」とか「キレイな花」っていう、語と語の組み合わせ的なアレですね。

中国語でもそれがキッチリと決まっていて、文章の中からその組み合わせを探し出し、組み合わせ同士を線で結びつける…というやり方でした。

まぁ、実際にはすべてを線で結びつけてたら線で前後の(上下の?)文章が隠れてしまうので、同じ記号(〇とか△とか□)をつけて一目でどの語とどの語が結びついているのかが分かるようにしていたのですが(笑)。

要はそうやって文章を分解して文章構造を把握していく、というやり方だったんですよね。これを繰り返していたら、今までは記号をつけたり線で結びつけていかないと読めなかった文章が、記号や線なしで頭から読んで理解できるようになりました。(なんだか不思議なのですが、視覚的に文章構造を理解する効果もあるのかな?)

ちなみに中国語において「搭配」はかなり重要らしく、他の授業でもしつこいくらい覚えさせられました。下の写真は文法の授業のテキストなのですが(クリックすると大きなサイズで見れます)、こんな風に「この単語はこういう主語/動詞/目的語/連用修飾語/補語etc.をとることができる」というのを逐一覚えさせられましたね(もちろんテストにも出ました)。

  

…まぁ、中には「これ当たり前じゃん!」とか「それじゃなくても通じるw」っていうのもあり、読解の授業ではさらに「『是』の“搭配”は『。』」なんていう「『。』って単語??」とうっかりツッコミを入れたくなりそうなのもあったのですが(笑)、本当に難解な文章っていうのはそれすらどこにかかってるのか(何と組み合わさっているのか)分からなくなるので、文章構造が複雑な文章を読み解く上でのある種の指針になっています。

(なお、私が師事した中国人の先生の1人によると、「搭配」というのは確かにその組み合わせにしなくても意味は通じるけれど、より自然な中国語を話したい・書きたい場合は非常に重要らしいです。どんなに発音が上手でも、結構そこで外国人だとバレるのだとか…)

    

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以前勤めていた翻訳会社で、社長が「翻訳は体力がいるから、若いときにやっといた方がいいよ」と言っていたのですが、それが最近妙に身に染みてきています。

その当時は、「翻訳なんて、いくら語学力・翻訳力あっても経験がなければどうにもならない(募集要項に実務経験/翻訳経験○年以上とか書いてあるのがほとんどだったし、書類選考通ってトライアルに受かっても、その分野での経験がないと予備に回される可能性が極めて高い)のに、経験が浅い『若いとき』になんてどうやってやったらいいの?そもそもチャンス自体もらえる機会が…」なんて思ったものなのですが。

確かにコレ、体力使うんですよね。パソコンの前に座って画面や辞書見て文字打ってるだけなのに、1日仕事したあとは頭も身体もヘロヘロ状態。1週間ぶっ続けで仕事した日には週末は廃人と化します。

あ、いや、「廃人」は言い過ぎかもしれませんが…でも「文字見たくない。本や画面見ただけで気持ち悪くなってくる…。まともな日本語すら出てこない…。もう何も考えずにただひたすらぼーっとしていたい」状態になるのは確かで…。

それでも20代や30代前半の頃は1日か長くても2日も休めば復活していたのですが、40代が近くなった今は完全復活まで時間がかかるようになってしまいました。確かに土日2日間休めば日常生活に支障をきたさない程度の元気は回復してくるんですけど、まだ身体に疲労感が多少なりとも残っている状態というか…万全ではないな、という感じで。忙しい時はドリンク剤のお世話になることもしばしば…。

特に最近はパソコンの画面の解像度が上がって目から入ってくる情報量が以前と比べると格段に増えたため、目から来る疲労感というのもハンパないですし(最近よくリラクゼーション施設にマッサージしに行くのですが、施術師さんから「目の疲れすごいですねぇ。そこから肩とか腰に凝りが行っちゃってるみたいですねぇ」なんて言われます)。

正直、「いつまでこのペースを維持して仕事続けられるんだろう?」と不安になることがあります。

だからこそ、健康管理というのは非常に重要になってくるんでしょうけど、ただやはり齢には勝てない部分もあるわけで…(ちょっと弱気)。

よく「翻訳の仕事は年齢選ばない。生涯現役でできる」とか「定年退職後の第二の人生に翻訳の仕事を…」なんて話聞きますけど、60とか、70、80まで現役でできる自信というのは今の私にはないですねぇ。

まぁこういうのって、その時になってみないと分からないもんなんでしょうし、まだこういうこと考えるには(年齢的に)早いのかもしれませんが。

でも、会社みたいに定年が決まっててその年齢になったら自動的にお役御免ってことになるわけではない仕事なので、いつかは自分自身に見切りをつけてやめなければならない時がやってくるんだろうなぁとは思います。


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プロフィール
HN:
暁香月
性別:
女性
自己紹介:
翻訳会社のコーディネータ&チェッカー、中日ビジネスコンサル会社の翻訳事業部のコーディネータ&チェッカー/翻訳者を経て現在中国語のフリー翻訳者。在宅で中日訳のほか、中日/日中/英中訳のチェックなども行っています。夫と二人暮らしのアラフォーです。
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